【あらすじ】
少女は、草摩 楽羅(そうま かぐら)だと名乗り、ここの家に夾がいるのかと尋ねた。
透は今、夾はニラと戦っていると話すと楽羅と名乗った少女はいてもたってもいられず、家の中に入って行ってしまう。
家の中ではまだ、由希とニラの格闘中だった夾の前に突然、楽羅が現れると、全員一瞬動きが止まった。
楽羅は、夾に会えた感激のあまり、凶暴化し、いきなり顔面を殴り飛ばした。
あまりの出来事に止まる透。
由希と紫呉はいつもの楽羅の愛情表現だからと平然としている。
その間も楽羅にボコボコに殴られ、振り回されている夾。
やっと、ボコボコに殴られて倒れている夾を見て誰にやられたのーと、正気に戻る楽羅だった。
4ヶ月も山籠りをして行方をくらましていた夾を心配するあまり、会えて力任せに喜んでしまったと先程の凶暴化を説明する楽羅。
先ほどの暴虐の限りを尽くしていた楽羅とは別人だと思う透。
楽羅は、夾とは婚約者で将来を誓い合った仲だと話すが、夾は子供の頃の話で結婚する気はさらさらないみたいだった。
しかし、十二支の動物に変身するもの同士は抱き合っても変身しないと夾に絡みつく楽羅を見て、驚く透。
そして、十二支にはもう二人、楽羅のほかに女性がいることも由希に教えてもらう。
透は、何どしに変身するのか気になるが安易に教えてもらわず、じっくり考えてワクワクすることにした。
その後も、楽羅の夾に対する猛プッシュは続き、透もライバル視されてしまう。
楽羅は、夾が本当の姿になっても…といいかけたところで口を塞ぎ、それ以上無駄口叩くと容赦しないと夾はすごんでみせた。
その様子に透は本当の姿とは何のことかと気になった。
夾にとって聞かれたくないことだったのかもしれない。
しかし、楽羅の夾に対する思いは本気の恋だと感じ、初恋もまだの透には羨ましい気持ちになったのだった。
楽羅は、まだ透のことを疑っている。
透がいつもより早いが、夕食の準備をしようとしたところ、夾のために楽羅が夕食を作ることになった。
冷蔵庫にある食材をすべて使い切り、ご馳走を作った楽羅は夾を部屋まで呼びに行く。
夾は、楽羅がせっかく作った夕食をつれない態度で食べようともしない。
その態度に怒った楽羅は、また夾と喧嘩してしまい、せっかく作ったご馳走も台無しにしてしまうのだった。
また、夕食を作り直そうと楽羅は買い出しに出かけてしまう。
紫呉に楽羅は、自分も透のように、夾と一緒にこの家に住みたいと言うが、やんわり断られてしまう。
「しーちゃんには、女の子の揺れる気持ちなんて、わからないんだ」と言って飛び出してしまう。
その言葉に紫呉は、「僕にだってヤキモチくらい焼くこともあるけどね」と意味深につぶやいた。
楽羅がめちゃくちゃにしたご馳走を片付けているときに、由希は出前でも取るかと、透と夾に聞く。
透には、何か考えがあるようで出前はちょっと待ってください、と止めた。
そのころ、買い出しに来ていた楽羅は、家に財布を忘れてきてしまい、困っているところへ迎えに来てくれた、透が代わりにお会計をしてくれる。
買い出しの帰り道、楽羅と気まずい感じで帰っているときに、透は夾が好きなのか聞かれる。
透は、夾のことは好きだが猫年のファンみたいなものだと言う。
夾に対する純粋な思いを打ち明ける楽羅。
そして、透に迎えに来てくれたことを素直に感謝するのだった。
夕食が出来上がるからと、夾の部屋に呼びに行った透は、ふと屋根から物音がするのに気付いた。
屋根を覗いてみると、そこには夾が寝そべっていた。
夾は、突然現れた楽羅の求婚宣言と激しい愛情のぶつけ方に戸惑っていた。
楽羅の愛情表現にうざってぇと吐き捨てる夾に、透は誰かが思ってくれて、心配してくれる人がいるのは幸せだと言った。
透は、素直に自分の気持ちをぶつける楽羅はすごいと話し、結婚は女の子の永遠の夢で憧れだと言った。
夾の夢は、由希に勝つことで、山で修業した師匠のことを話し出した。
山で修業した時のことを、生き生きと話す夾は、師匠のことも修業のことも楽しそうに語る。
あまりにも夢中に話し過ぎた夾は、我に返って透に「女のお前には、退屈な話だったな」と謝った。
夾にいきなり謝られた透は、必死にそんなことはないとフォローする。
そんな必死な透を見て、夾は優しく微笑むのだった。
その微笑みを見て透は、いつも怒ったような顔の下に隠れた不器用な笑顔もホントの夾だと感じるのだった。
やっと夕食のハンバーグが出来上がり、夾の分にだけ目玉焼きが乗っていた。
子供のころ、一人ぼっちで目玉焼きを書いていた夾のため。
楽羅の作ったハンバーグをみな、おいしいと言って喜んで食べてくれる。
夾は、黙ってもくもくと食べ始めるがその姿を見て透と楽羅は微笑みあった。
次の日の朝、楽羅は夾との別れを名残惜しんでいた。
夾は昨日と変わらずつれない態度で楽羅を、引き離そうと必死だった。
紫呉は、透に楽羅が何どしか分かったか尋ねると、透はまだわからないようだった。
夾のつれない態度に楽羅は機嫌を損ね、家の玄関の引き戸を破壊してしまう。
楽羅が破壊したちょうどその時、新聞を届けに来た配達員の男性とぶつかってしまう。
そこへ由希が配達員の気を引き、楽羅の変身をごまかすことができた。
変身した楽羅はイノシシになっていた。
何どしかわかった透は大感激!
猪突猛進の楽羅が、夾に力いっぱいの愛情を示すのに納得がいった透。
夾の素敵なところをいっぱい知っている楽羅みたいに、透も好きな人の素敵なところを見つけられる人になりたいと言った。
透に褒められて上機嫌になった楽羅は笑顔で帰って行った。
ようやく、嵐が去ってホッと一息つき、透たちは学校へと急ぐのだった。
夾や由希、もっといろいろなところを知りたいと思う透。
まだ見ぬいろいろな一面を見つけていきたいと思うのだった。
学校に着いた透は、先生に電話が入っていると職員室へ呼ばれた。
電話に出ると、おじいさんからで透は勘違いをするところだったと思う。
居候だということを忘れ、まるで、家族になったかのような勘違いをするところだったと…。
【感想】
夾にとっては、強敵の楽羅が現れました。
カッとなると周りが見えなくなる夾と気持ちが昂ると一直線の楽羅。
似た者同士なんだけど、きっと、夾は肉食系女子が苦手なんでしょうね。
透に対する照れ隠しからの、ぶっきらぼうな感じとは違う、本気で嫌がっているのが可愛いと思います。
紫呉や由希、透の面々は、どんなに突拍子もないことをしでかしても決して怒ったり、責めたりしないところが素敵だと思います。
透の優しさが少しずつ、由希や夾にも浸透し始め、なくてはならない存在になってきてくれているのがうれしいです。
また三人の絆が深まった中、この先どうなっていくのか?今後も見逃せません!!